
カリスマ創業者の安田隆夫から経営を引き継いだドン・キホーテホールディングをさらに進化させたとして評価が高まっている経営者が、同社の代表取締役を務める大原孝治です。2020年までに年間売り上げ1兆円を目指すという大きな目標を掲げ、ドン・キホーテの店舗網を増やし続ける一方で、新たにファミリーマート・ユニー傘下のGMSユニーへの出資を実現させ、営業が振るわない店舗をドン・キホーテの業態のひとつであるMEGAドンキへと変更していく方針を発表しました。
GMSとは総合スーパーのことで、この業態が始まった当初にはニューファミリー層と呼ばれる新婚世帯や、小さな子供を抱える夫婦などが主たる顧客ターゲットでした。しかし、長らくの営業を続ける中で来店する顧客のニーズに応え続けていた結果、顧客層が年齢を重ねるごとに少しずつターゲットの年齢層が引き上がってしまい、結果的に現在では高齢者向けの業態となってしまっています。高齢者は安定的な購買を行う優良な顧客層ではあるものの、GMSの規模を賄えるだけの収益を上げることが出来ず、苦しい経営状態の店舗が目立ちます。ドン・キホーテホールディングスによるユニーの営業不振店舗の再生プロジェクトは始まったばかりであり、既存の店舗をそのまま利用する形ですので現在のところは大きな成果は上がっていません。しかし、ドン・キホーテの店舗と同じく顧客を見ながら修正を加えていく方式により、新たなGMSの姿が徐々に浮かび上がってきそうです。